研究課題/領域番号 |
18K13012
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
岡部 茜 大谷大学, 社会学部, 講師 (20802870)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 若者支援 / 居住支援 / 離家 / ソーシャルワーク |
研究実績の概要 |
引き続き、インタビュー調査を実施した。ただし、Covid-19の流行のため、予定していたインタビューやフィールドワークをほとんど中止せざるをえなかった。とりわけ、フィールドワークは実際に一定期間の住み込みを行う予定であったため、この時期に執り行うことは難しいと判断した。 フィールドワークの予定を中止したことの代替として、若者支援の相談窓口に寄せられる相談のうち、住居の不安定さが問題となるものを選び、実践者に協力を得て事例の分析をおこなった。分析においては、どのような状況に若者が置かれているのか、そこで既存の制度がどのように利用できるのか/できないのか、どのような住居に関する支援があれば若者の生活の安定につながるのかなどを検討した。そのなかでは、社会的養護を利用した経験のある若者においては一定の支援が利用可能であるものの、そうではない若者は親からの支援なしに住居を得ることが難しいこと、また社会的養護を利用した経験のある若者においても何度か地域を移動することで支援制度の利用がしづらい状況にあることが確認されている。これらの分析は2021年度も継続し、成果を報告する予定としている。 また、昨年度までに得た調査データを分析した結果を、日本社会福祉学会第68回秋季大会にてオンラインでのポスター発表の形で報告した。報告では、現在日本で展開されている住居にかかわる若者支援として、どのようなものが取り組まれているのか、現場スタッフへのインタビューから その概要を掴むことを目的とした。具体的には、政策と各民間団体の事業開始時期の連動、費用、事業内容、ルール、利用者層について報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Covid-19の影響をうけ、予定していたインタビューやフィールドワークの多くを中止せざるをえなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度においてもフィールドワークは難しいことが予想されるため、調査内容を一部変更し、調査の実施および分析を行っていく。具体的には、若者への居住支援をおこなっている団体への住み込み調査を、居住支援が必要だと思われる相談事例の事例検討に変更する。 この変更により、実際にどのように若者が居住支援を受けているか、そのなかでどのような変化があるかについては、2020年度までに得られた調査データの分析にとどめることになる。かわりに、事例分析によって、居住をめぐってどのような支援ニーズが若者に生じているかをより具体的に検討することとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19で多くのインタビューやフィールドワークが実施できず、旅費等の多くが発生しなかったため、予算執行に変更が生じた。2021年度は可能な範囲でインタビューを実施するほか、調査を一部変更し、事例検討を実施する際の調査協力謝金および追加で生じるインタビュー文字おこし等に使用する。
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