野生動物肉の猪肉と鹿肉は消化酵素で処理することにより、ACE阻害活性や抗酸化活性が発現した。特に鹿肉ではそれらの活性が豚肉や牛肉といった食肉と比べて高いことが認められた。さらに鹿肉のACE阻害活性ペプチドについて、その主たる活性ペプチドを見出した。従って、野生動物肉、特に鹿肉を食することで生体において、抗酸化作用や血圧降下作用といった有益な作用が発現すると推察された。また鹿肉の消化酵素分解産物には、ビフィズス菌を増殖促進する効果が認められた。さらに鹿肉は豚肉と同様に乳酸発酵肉製品の作出が可能であったことから、乳酸発酵鹿肉製品は鹿肉の保存性を向上させ得る加工製品の一つとして期待された。
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