本研究では,妊産褥期の死への不安・恐怖に着目し,妊産婦の自殺関連因子との関連を明らかにすることを目的とした。研究1の結果から、母親の認識する子どもとの関係構築経験は,「日常経験」,「初接触経験」,「身体経験」,の大きく3つのまとまりによって把握でき,死の未知性への恐怖である死への不安・恐怖,死の関係性喪失への恐怖である生への執着に正の影響を及ぼしていることが明らかになった。加えて,コロナ禍に実施された研究2では,死への不安・恐怖,生への執着は,調査開始時に妊産褥期のいずれの時期であるかに関わらず,コロナ禍中の得点がコロナ禍前の得点よりも高いことが示された。
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