研究課題/領域番号 |
18K13038
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山岸 輝樹 日本大学, 生産工学部, 専任講師 (50736155)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 高齢者生活 / ライフエリア / 地域施設 / 住宅地 / 生活基盤 |
研究実績の概要 |
高齢化に対応したまちづくりの目標として身体的・精神的な衰えの中で自分の能力を最大限に活かしながら緩やかに老いていける環境づくりがある。中年期までに形成してきた生活の継続性を保ちつつ,ゆるやかに変化に対応していくことができる地域を実現することが必要と考えられ,そのためには中年期までに地域で展開されてきた日常生活が高齢化の中でどのように変化するのかを踏まえることが必要である。本研究は地域に存在する生活資源の中で特に地域施設に着目し,高齢者の日常生活が中年期と比べ変化していく中で,地域施設利用が縮小,変化または維持していくのかを明らかとすることを目的としている。平成30年度は,(1)人口密度や基盤整備などの点で特徴の異なる住宅地を2地域選択し,中年期から老年期への移行の中で特に子供の独立・退職・身体機能の衰弱といった大きなライフイベント前後での変化を念頭に置きながら,高齢者の生活行為・ライフスタイル・日常生活空間利用のどこに変化・ギャップが生じるかを,生活・時間・空間の3側面から具体的な環境を想定しながら理論的に整理し仮説形成を行った。(2)両地域でそれら生活行為に関わる地域資源の実態調査として,地域施設やサービスについてホームページや電子地図情報等により把握し,数値的にその評価を行った(3)東京近郊の郊外集合住宅団地H団地でアンケート調査の予備調査として,中年期と高齢期の日常利用空間についてと,その変化の要因についてのヒアリング調査を行い,。アンケート内容や調査の制度を高めるための材料を得た。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度に計画していた研究課題のうち,地域資源の数量的な実態調査に関しては予定の3地域のうち2地域についてはほぼ順調に実施でき,調査の基盤となる情報として整理できている。しかし地域施設の利用実態および地域評価に関するアンケート調査については,プレ調査の中で調査項目と調査方法について修正を行う必要があることが判明したため,実施を次年度に見送ったことが研究が遅れている要因である。 当初計画していたアンケート調査については,調査項目等の内容見直しを行い,2019年度に改めて実施予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
2019年度は以下の調査を実施する。 ①昨年度実施予定の,3地域の中年および高齢者を対象とする地域施設利用および地域での生活評価に関するアンケート調査の実施。 ②3つの地域それぞれで活躍するケアマネージャーを対象とした,各地域における生活空間の縮小の仕方や理由に関するヒアリング調査。 ③3つの地域それぞれの高齢者を対象とした生活変化・縮小の仕方やその理由に関するヒアリング調査の実施。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度利用額が生じたのは,予定していた3地域でのアンケート調査を実施しなかったことが理由である。2019年度に繰り越した分は当該アンケート調査を実施し,調査協力への謝金や交通費として支出する予定である。またそれ翌年度分として背一級した助成金については当初予定の通り3地域それぞれで高齢者・ケアマネージャーへのヒアリング調査を行う計画であり,そのための交通費や謝金等として利用する予定である。
|