研究課題/領域番号 |
18K13050
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
福元 真由美 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (00334459)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 教育の現代化 / 戦後 / 日本 / 保育史 / 雑誌『幼児と保育』 / 領域「自然」 |
研究実績の概要 |
2018年度は、「課題1)保育の「教育の現代化」受容過程の解明」に即した検討を行うとともに、「課題4)科学領域の理論と実践の分析」に関する基礎的な資料を収集する作業を中心に行った。 課題1)については大阪府私立幼稚園連盟『幼児教育の現代化』、教育現代化研究会『教育実践の現代化』等の検討から、現代社会への対応という課題のもと保育で「教育の現代化」が受容され、次の5つの論点が提出されていたことが示された。それらは、(1)幼稚園教育における教育の方法・内容としての「遊び」の理論の欠如、(2)「ゆたかな環境を備える」だけでなく、「周到に準備された刺激的環境」を整える必要、(3)幼児の発達や保育における自然主義の克服、(4)5歳児就学の問題からの「幼小連関」の特質、(5)幼稚園と保育所の一元化の必要である。これらの論点が、「課題2)数領域の理論と実践の分析」「課題3)言語領域の理論と実践の分析」「課題4)科学領域の理論と実践の分析」に共通しうる観点であることが確認された。以上の研究成果は、日本保育学会第71回大会において発表された。 課題4)について、研究実施計画では日本理科教育学会、科学教育研究協議会における保育研究の動向を検討する予定であったが、その予定を変更している。作業の過程で雑誌『幼児と保育』(小学館)に「教育の現代化」の影響を受けた領域「自然」の保育論、保育実践が見出されたため、当該年度はこれらの資料をおよそ30年分収集、整理することに注力した。 また、上記の5つの論点との関連で保育史研究における保育の方法と内容、幼児の知育、幼小接続、「教育の現代化」に関する先行研究の動向を再検討し、レビュー論文にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に即しつつ、計画の一部を変更しているが、おおむね作業を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として以下の4点を予定している。 (1)雑誌『幼児と保育』をはじめ周辺の保育雑誌の記事を調査し、領域「自然」の保育の動向、特に「科学遊び」について検討する。 (2)日本理科教育学会、科学教育研究協議会における保育研究の動向を調査・検討する。 (3)「教育の現代化」に関する言語領域の保育の動向を検討するための対象を精査し、資料を調査・収集する。 (4)「教育の現代化」に関する数領域の保育の動向を検討するための対象を精査し、資料を調査・収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度に謝金等の支出をしなかったことにより、2,070円の次年度使用額が生じた。 次年度は謝金等に使用する計画である。
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