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2023 年度 実施状況報告書

高校教育における低学力生徒への学習保障カリキュラムの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K13051
研究機関金沢大学

研究代表者

本所 恵  金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80632835)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2025-03-31
キーワード高校教育 / イントロダクション・プログラム / 個別化 / 学習支援
研究実績の概要

今年度は、イントロダクション・プログラムのひとつとして、欧州ネットワークをもつセカンド・チャンス・スクールとしても展開しているノルショッピン市の事例に焦点をしぼって、調査や資料収集を行うことができた。
ノルショッピン市では、生徒の多様なニーズに応じた多様なイントロダクション・プログラムを設置しており、その多くは複数のプログラムをもつ大規模な高校の一部門として設置されていた。一方、セカンド・チャンス・スクールは、職業イントロダクションと個別イントロダクション、および成人教育の3クラスを設置する小さな学校で、現在は独立した学校として運営されている。ただし、他のイントロダクション・プログラムや、自治体の活動提供義務(KAA)との連携がはかられていた。また、設置当初は大きな高校の一部門であり、必要に応じて形態を変化させてきたことがわかった。教育については、中学校・高校の教科学習ではなく、学校独自に開発した「生活の知識」という科目を通して、毎日学校に通う生活リズムや、社会性や将来計画などを育むことが重視されていた。欧州ネットワークを活かして、国外のセカンド・チャンス・スクールとの交流なども行われていた。
他のイントロダクション・プログラムにおいても、生徒への学習の動機づけを非常に重視して多くの活動を実施している学校があった。また、生徒が卒業後に就職できるように、特定の職業能力を育むことに主眼を置いた教育課程を組んだり、インターンシップを重視したりする学校があった。手厚い教育を支えるスタッフの専門性や協働を具体的な事例から見てとることができた。
こうした取り組みは、学校教育や職業訓練からの離脱(早期離学)を防いだり、一度離脱した人の学びを補償する機会としても機能しており、失業や社会的排除を予防するという点で、社会的・個人的なウェルビーイングの視点から重要なものと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

学力保障の取り組みを、具体的な基礎自治体単位で把握することができ、社会的なウェルビーイングの視点から考察した。

今後の研究の推進方策

これまでの調査を総括して、イントロダクション・プログラムの発展についてまとめる。

次年度使用額が生じた理由

今年度調査に係る総括に時間を要したため、研究補助を予定通り依頼できなかった。次年度に研究補助を依頼して研究の総括を実施予定。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] スウェーデンにおける近年の早期離学対策プロジェクト2024

    • 著者名/発表者名
      本所恵
    • 雑誌名

      金沢大学人間社会研究域学校教育系紀要

      巻: 16 ページ: 175-183

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] ウェルビーイングのための社会参加を支える教育―スウェーデンにおける若者の離学予防に着目して2023

    • 著者名/発表者名
      本所恵
    • 雑誌名

      教育目標・評価学会紀要

      巻: 33 ページ: 41-46

    • 査読あり
  • [学会発表] スウェーデンにおける近年の早期離学対策プロジェクト2023

    • 著者名/発表者名
      本所恵
    • 学会等名
      日本比較教育学会第59回大会
  • [図書] 北欧の教育再発見2023

    • 著者名/発表者名
      中田 麗子、佐藤 裕紀、本所 恵、林 寛平、北欧教育研究会
    • 総ページ数
      272
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      978-4750355634

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公開日: 2024-12-25  

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