本研究は、知識伝達型ではない、新たな知の創発の場として学びを捉えるものである。これにより、教え手と学び手とのやり取りの中でわざそれ自体が創発される可能性を含んだ、ダイナミックな学びの構造を解明できる。これは必ずしも芸術学校だけに限られる事例ではなく、学び手のみならず教え手もまた知の創発に刺激を受けるという、教育現場に広く見出しうるような生成的な現象を示唆するものである。例えば学校における教科教育さえも、教え手と学び手との交流を通じて、新しい知の萌芽がミクロに創発しうる場として捉え直すことができる。学校を、知の伝達の場ではなく、知の創造拠点として捉え直すインパクトが得られるだろう。
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