研究課題
昨年度実施した長崎県内公立小学校および私立中学・高校における「学校内における管理職育成」事例調査を踏まえ、また、長崎県教育センター指導主事等との協議を行いながら、「管理職育成研修プログラム」の作成に着手した。特に今年度は、長崎大学大学院教育学研究科(教職大学院)管理職養成コース教員とも協働し、当該コースにおける講義・演習・実習と連動したプログラムを試行的に作成することで、「管理職育成研修プログラム」の可能性を探った。「学校内における管理職育成」を実現するためには、①管理職がいかにして次世代スクールリーダーとなる管理職候補者を見出し、②管理職候補者の育成において目的・目標を掲げ、③その目的・目標を当該教員といかにして共有し、④学校組織内外の諸資源を活用しながら、⑤当該教員へ働きかける、という一連のプロセスを明確にする必要がある。上記プロセスのうち今年度は特に、①②に関する基盤構築へ向けた実践事例の収集と、その事例を踏まえた研修プログラム作成に当たった。プログラム作成に当たっては、教職大学院管理職養成コースカリキュラムとの有機的連携をはかるため、管理職養成コース教員や長崎県教育センター管理職研修担当者との協議を繰り返すことで、教職大学院管理職養成コース・長崎県教育センターの連携を模索した。また、昨年度実施した公立小学校および私立中学・高校での事例調査内容を再検討すべく、管理職養成コース院生との協働アクションリサーチに取り組んだ。今年度の研究・実践を通じ、長崎県域をカバーする管理職育成の方策について見通しをもつことが出来るようになったとともに、学校・教育センター・大学(教職大学院)が協働する大まかな枠組みを構築することができた。
2: おおむね順調に進展している
今年度は昨年度の実態調査を踏まえ、具体的な研修プログラムの草案を作成することができた。特に、研究代表者が所属する教職大学院管理職養成コースを基盤とし、長崎県域をカバーする育成方策の見通しをもてたことは大きな成果であった。
今後は当該調査・実践結果の検証を図る必要があるため、公立学校等でのフィールドワークを通じた検証作業が求められる。また合わせて、実際の育成事例を収集するとともに、その追跡調査を行うことで、知見の一般化及び検証を図る必要がある。
今年度の調査・実践結果についてのフィードバックを得るため、年度末に多数の出張を予定していたが、今般の新型コロナウイルスの影響を受けすべてキャンセルとなったため、次年度使用が生じた。次年度使用分は、旅費や当該結果に関する論文執筆、それに必要な物品購入等に使用する予定である。
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FORWARD
巻: 60 ページ: 22-25
「育成指標」に基づいた管理職養成プログラムの開発 報告書(長崎大学大学院教育学研究科)
巻: - ページ: 3-7
巻: 59 ページ: 20-23
巻: 58 ページ: 18-21
巻: 57 ページ: 20-23
巻: 56 ページ: 20-23
巻: 55 ページ: 20-23