研究課題/領域番号 |
18K13055
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
畑中 大路 長崎大学, 教育学部, 准教授 (70734383)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 管理職 / 育成 / 「学校改革」 / ミドルリーダー |
研究実績の概要 |
今年度はコロナ禍の中、当初の予定とは大幅な変更を迫られた。特に、年度前半~中盤にかけては調査や実践(研修など)をほとんど実施することができなかった。しかしそのような状況の中、可能な範囲で下記3点の調査を継続・新規実施することができた。 1点目は、初年度より実施している私立B中学校・高校における継続調査である。B中学校・高校はここ数年で様々な「学校改革」に取り組んでいるが、その中でも特に、総合的な探究の時間を通じた「学校改革」に取り組むC教諭の取り組みに着目し、その理念や周囲の巻き込みプロセスに関する聞き取り調査を実施した。併せて、当該教員に関わる管理職層への調査も実施し、私立学校における管理職養成プロセスの分析を進めている。 2点目は、前科研より継続して調査を続けているG高校における取組である。G高校は「授業改革」を通じた「学校改革」に取り組み7年目となるが、人事異動により「授業改革」及び「学校改革」文化の継承に課題を抱えていた。その課題解消に取り組むD教諭の取り組みに着目するとともに、G高校の近隣にある学校運営協議会の推進に取り組むT小学校との小高連携にも着目し、その過程へ管理職がいかに関わり、管理職候補者の養成に取り組んでいるかを分析した。 3点目は、OE中学校における生徒会活動の活性化を通じた「学校改革」の取り組みである。OE中学校では、2020年度に着任したY校長が提示したビジョンのもと、ミドルリーダーを中心とした生徒会活動の活性化が進展している。当該ミドルリーダーをY校長がいかにみとりサポートし、育成しているかというプロセスを解明するべく、新規調査を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍の中、最大限可能な範囲での調査・実践を行ったものの、その内容は当初の計画と比べ格段に遅れている。またそれに伴い、研究成果の報告等も不十分な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は限られた環境下での調査実施となり、その質・量ともに不十分であった。しかし、web会議システム等を用いたインタビュー調査の実施や、年度後半には新規調査を開始することもできた。2021年度は上記方法の導入・拡張を通じて調査を継続し、2020年度の課題となった調査実施面の遅れを取り戻す。 また合わせて、当該調査結果の分析を急ぎすすめ、論文等での報告を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査旅費および学会参加旅費として計上していた予算を使用できなかった。 調査については2020年度末より実施の見通しが立ち始めたため、2021年度は2020年度に実施できなかった調査分も含め計画的に使用していく。 学会については多くの学会がオンライン実施に移行しつつあるため、その動向を見極め場合によってはオンライン参加に対応できる用途へ変更しながら使用していきたい。
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