これまで本研究では、人口減少社会のなかで地域の消滅に直結しない構造での学校統廃合プロセスがいかに成り立つか、また、そのような地域学校共存モデルの再編のプロセスに関わる子どもや住民がいかなる学習活動を展開しているかについて究明してきた。地域を消滅させない形での学校統廃合はありうるかという問題意識のもと、国内の事例調査を通して、近年の学校統廃合の進行プロセスを検証してきた。 本来、2018年度から2021年度までの4年間を研究期間として計画を立案していた。しかし、2020年初頭から日本社会でもコロナ禍の影響が深刻化し、現地調査については実施が困難となった。異なるアプローチで進めることのできた調査もあるが、計画時のアプローチで実施することが効果的な調査もあったことから、最終年度における延長と新型コロナウイルス感染症の影響による特別延長をそれぞれ1年行い、2018年度から2023年度までの計6年間での実施となった。 研究期間6年目は、コロナ禍において現地調査が実施できなかった自治体と地域において、学校統廃合前後の状況の変化を具体的に明らかにするための実地踏査と聞き取り調査を実施することができた。コロナ禍の影響や受け止めは自治体や地域によって多様であったことから、調査の再開が可能となる時期にズレが生じていたが、現地の意向や動向を踏まえて実施時期を調整し、コロナ禍前に計画していた地域での調査を実施することができた。
|