研究課題/領域番号 |
18K13084
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 言語教育政策 / 母語教育 / 国語教育 / 外国語教育 / 中央アジア / ロシア / 移民の子どもたち |
研究実績の概要 |
2019年6月には2018年度にカザフスタンとウズベキスタンで実施した現地調査の結果を同じく2018年度を通して行った理論的枠組みを用いて分析し、カザフスタンとウズベキスタンの言語教育政策の法規定と教科課程の比較を行い、その成果を第55回日本比較教育学会において発表した。 次に、11月には中央アジアの言語教育政策における母語教育保障の現状と限界についてIAFOR 12th Asian Conference on Educationにて英語で発表した。 12月にはカザフ国立教育大学出版『教育学と心理学』(第41巻4号)において日本の言語教育政策における第二言語としての日本語と外国語としての英語教育政策に関する論文がロシア語で記載された。 2月にはロシアのモスクワ市立教育大学に出張し、中央アジアからの移民の子どもたちの母語教育とロシア語教育保障に関する現地調査を行い、ウズベキスタン、キルギス共和国とタジキスタンからロシアに来る子どもたちの母国でのロシア語教育のレベルが彼らのロシア社会への適応に与える影響について共同研究を実施することについて打ち合わせをした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度の研究計画では1月と3月にはキルギス共和国とタジキスタン共和国の現地調査を予定し、先方の大学と研究機関のカウンターパートと調整を進めて、航空券まで準備したが、新型コロナウイルスの影響で渡航を中止せざるを得なかった。この二つの国の言語教育政策に関する資料はインターネットではほとんどアクセスができない状況にあり、実際に現地でしか入手し出来ないため、資料収集が遅れて、研究の進捗に影響を及ぼしている。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの継続的な影響が懸念されるため、2020年度には前年度に実施できなかったキルギス共和国、タジキスタン共和国と今年度予定していたトルクメニスタン共和国への現地調査が実施が困難であると考える。これまで収集した情報を分析し、理論的枠組みの修正を行い、論文の執筆と学会発表(主としてオンライン参加)に集中する予定である。特に、モスクワ市立教育大学のカウンターパートと計画しているロシアにおける中央アジアからの移民の子どものロシア語教育と母語教育保障に関する共同研究の理論的枠組みの形成、研究方法と実施計画について打ち合わせを継続する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度に予定していたキルギス共和国とタジキスタン共和国の現地調査が新型コロナウイルスの影響で中止になったことと、英語で書いている論文の校正が遅れているからである。 2020年度には現地調査が困難であるため、英語論文の投稿本数を増やし、その校正費と国内・国際学会(オンライン参加)への参加費、文献の購入に使用する予定である。
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