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2022 年度 実績報告書

多言語教育政策の意義と限界ー中央アジア諸国のグローバル化対応にみる葛藤

研究課題

研究課題/領域番号 18K13084
研究機関筑波大学

研究代表者

Tastanbekova Kua  筑波大学, 人間系, 准教授 (30726021)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード中央アジア / 言語教育政策 / 国家語 / ロシア語 / 英語 / ロシア・ウクライナ情勢 / 少数民族 / 母語
研究実績の概要

2022年度には研究のまとめと総括を行った。COVID-19パンデミックの影響により、2020年、2021年に予定していたタジキスタンとキルギス共和国での現地調査ができなかったが、ウズベキスタンとタジキスタンの言語政策に関わる国家基本構想を入手し、比較分析を行った。また、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス共和国とタジキスタンの4各国の憲法、言語法、教育法における国家語、ロシア語と少数民族語に関する規定と各国の教育統計と教育課程を比較分析した。次に、各国政府、世界銀行とユネスコによるCOVID-19の教育に与えた影響に関する報告を分析した。分析の結果、各国の言語教育政策において国家語(ウズベク語、カザフ語、キルギス語、タジク語)教育の強化と英語教育の改善・拡大に向けて取り組みがなされているが、少数民族語教育の課題(教員・教材の不足、教育施設の劣化、教育内容の過重負担等)が継続的に放置されていることが明らかになった。特に、オンライン学習は国家語とロシア語のマジョリティ言語を中心としており、少数民族語での電子教材・授業配信などが行われていなかったことを指摘できる。
一方、2022年2月24日に起きたロシアのウクライナへの侵攻は各国の言語使用状況に影響を与えていることも明らかになった。フェイスブック、インスタグラム、ツイッターの各国での書き込みを分析した。ロシアがウクライナでのロシア語話者住民の保護を侵攻の一つの理由にしていることから、中央アジア諸国内のロシア語話者住民のロシア語を母語として使う権利保障について社会的議論がみられる。しかし、ロシアの侵攻への批判、ウクライナへの支持、また民族意識の高揚の一環としてロシア語を意図的に使用しない姿勢がより顕著になっている。このことは、中央アジア諸国におけるロシア語教育にボトムアップレベルで影響を与える可能性が高く、注視していきたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] ポスト・ソヴィエト諸国における言語教育政策 ―ロシア語教育をめぐるロシアと中央アジア諸国のパワーポリティクス―2023

    • 著者名/発表者名
      タスタンベコワ クアニシ
    • 雑誌名

      比較教育学研究

      巻: 67 ページ: -

  • [学会発表] 中央アジア諸国の言語教育政策における母語教育権利保障の利用と濫用―カザフスタンに焦点を当てて―2023

    • 著者名/発表者名
      タスタンベコワ クアニシ
    • 学会等名
      日本中央アジア学会2022年度年次大会
  • [学会発表] Use and abuse of minority language education in Central Asia: the potential for new development in a post-COVID era2022

    • 著者名/発表者名
      Kuanysh Tastanbekova
    • 学会等名
      The 5th Symposium of World Council of Comparative Education Societies
    • 国際学会

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公開日: 2023-12-25  

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