本研究の目的は、学校が多民族化・多文化化するなかで、教員が生徒の文化的多様性をどのようにまなざし、それが外国籍生徒の学力保証や承認をどのように促進/阻害しているのかを明らかにすることで、文化的多様性を対応する指導法について検討することである。学校教員を対象にした調査の結果、外国籍児童生徒の指導経験は、生徒の文化的多様性に対する見方を肯定的なものに促す一方で、日本人生徒と「同じように」扱う方向に促す働きがあることがわかった。また、多言語・多文化に対応する資源が少ないなかで、教員が生徒の多様性に対する見方に葛藤を抱える様相を描くことができた。
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