研究課題/領域番号 |
18K13087
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 園田学園女子大学 |
研究代表者 |
喜始 照宣 園田学園女子大学, 経営学部, 准教授 (40798922)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 芸術系大学 / 大学から仕事への移行 / 芸術キャリア / インタビュー / 芸術労働市場 / キャリア形成 / ライフヒストリー |
研究成果の概要 |
本研究では、芸術系大学出身者の初期キャリアについて検討した。具体的には、芸術系大学卒業生へのインタビュー調査をもとに、1)かれらの卒業後の仕事・生活と大学時代に得た諸資源(資本)との関連性、2)かれらが芸術系大学という場やそこでの教育に与える意味(レリバンス)に着目した分析を行った。その結果、a)芸術活動を行う上で、大学時代に得た文化資本や社会関係資本が活用されること、b)芸術関連の教育職への従事が、芸術活動のための経済資本獲得や芸術家としての省察の機会をもたらすこと、c)大学での教育や経験に対して、卒業生は職業的な面だけでなく、多様な面、特に主体化の面で意味を見出していることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
教育社会学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の意義は以下の点にある。1)芸術系大学卒業生の初期キャリア、特に芸術活動の継続について、その現状や過程を具体的に提示した点である。これは、芸術キャリア継続が可能となる社会的過程の解明に資する成果であり、芸術家支援に関する施策を検討するための基礎資料になると考える。2)大学教育のレリバンスの観点から、芸術系大学での教育や諸経験が卒業生の人生にどのような意味を持つのかについて、職業的な面だけでなく市民的・主体化的な面も含め、多角的に検討した点である。これは、芸術系大学という場の社会的役割を理論化する上で有益な知見であり、大学教育のレリバンス研究に新たな視座を提供するものと考える。
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