日本政府が2014年1月に批准した国連障害者権利条約ではインクルーシブ教育が規定されている。この批准にともない、日本政府は本条約の第24条に規定されているインクルーシブ教育を実行に移す義務を国際的に負っている。 この点で、日本の「共生共育」の思想の特徴を明確にすることは、インクルーシブ教育の実現に向けた制度改革を進めるためにも必要不可欠の作業である。今後は、国際的な教育改革運動であるインクルーシブ教育の理念や性格を改めて整理し、これと日本の就学運動のなかで展開された議論とを比較検証することを通して、日本のインクルーシブ教育のあり方について議論を深めていきたい。
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