本研究で得られた成果は、学校外の不登校生の居場所への理解や認知と関連付けて学校教員の不登校指導の意識や実態を明らかにしたこと、官民協働で運営される学校外の不登校生の居場所に焦点をあて、良好な協働が学校教員の不登校指導への影響や変容について検証を行ったことである。各種調査により、多くの学校教員の学校外の不登校生の居場所における活動内容への理解は乏しく、特定の教員に負担がかかりやすい支援構造に疲弊している現状がある一方で官民協働への漠然とした期待が強くあることを示した。事例調査においては学校外の不登校生の居場所への理解が進むにつれて、より開放的な支援体制へと変容していく過程が示された。
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