第一に、「学生運動」の定義および目的は、第二次大戦後から高度経済成長期にかけて、他の領域との関係を構築しながら、変化していったことが明らかとなった。第二に、戦後日本におけるキリスト教は、社会運動と結合するものでもなく、社会運動に反対するものでもなく、社会運動と「両立」する関係を構築していったのであり、キリスト教系大学はその関係の「場」として焦点化されていたことが明らかとなった。第三に、戦後の学生運動にとって、大学は第二次大戦後から1960年頃にかけて「問題」として捉えられていき、その過程における様々な議論は、現在の状況を考える上で重要であることが明らかとなった。
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