研究課題/領域番号 |
18K13104
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金沢 星慶 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任助教 (60744993)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 新生児 / 乳児 / 運動 / 発達 / 筋骨格 / シミュレーション / 身体性 / 感覚運動 |
研究実績の概要 |
本研究は,運動感覚計測技術の開発・解析手法の提案・発達個人差の理解を通した発達理論の検証を目標に,①新生児・乳児の詳細な関節運動計測,②個人差を反映する身体モデル作成,③乳児運動における運動出力/感覚入力の推定,④脳モデルを利用した運動感覚統合シミュレーションを進めている。令和元年度は以下の二点を実施した。 ①昨年度に構築したシステムを用いて運動出力/感覚入力推定を推定し、別途作成した大脳皮質モデルを利用した運動感覚統合シミュレーションを行った。乳児運動時の感覚運動を基に脳モデル上のシナプス結合をへ部学習させることで、取りえるアトラクタ数が変化することを示した。当該内容は"Spike Timing Dependent Plasticity Enhances Integrated Information at the EEG Level: A Large-scale Brain Simulation Experiment"というタイトルでICDLにて発表した。 ②昨年度に構築した乳児筋骨格モデルとニューラルネットワークを接続して、ランダム運動時の感覚運動学習の発達的モデルを提案した。ランダム運動によって生じる感覚運動予測が相互結合した三層ニューラルネットワークで学習可能なこと、また、その学習精度がランダム運動で抽出可能なmotor primitiveや拮抗抑制機構によって向上することを示した。当該内容は"Musculoskeletal Bias on Infant Sensorimotor Development Driven by Predictive Learning"というタイトルでICDLにて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
4段階ある計画について、一部修正が必要な個所もあるものの一旦の最終段階まで進めることができた。最終年度には各モデルの改良、微調整を加えるとともに、結果をまとめ発表に至ることが可能な段階に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
システム構築は概ね完了したため、身体及び脳モデル上に個人差となりうるパラメータを調整し、感覚運動発達の個人差に影響しうる要素の抽出を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
3Dスキャナの購入費を計上していたが簡易赤外線カメラで代用することが可能となり、不要となった。また、年度末に予定していた出張が中止になった。来年度購入予定の計算機をより高性能なものとする。
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