本研究は、運動感覚計測技術の開発・解析手法の提案・発達個人差の理解を通した発達理論の検証を目標に,①新生児・乳児の詳細な関節運動計測,②個人差を反映する身体モデル作成,③乳児運動における運動出力/感覚入力の推定,④脳モデルを利用した運動感覚統合シミュレーションを進めている。令和2年度開始時点で①~④の基本的なシステムの構築や解析は終了していたため、本年度には下記のモデル修正および追加解析を実施した。 ①筋骨格モデルの修正 計測した運動データから感覚運動入出力推定する際に利用する筋骨格モデルの筋配置や関節可動域、骨間の連動などの修正を行った。これによって関節運動計測や筋張力、筋長推定の精度の向上が期待できる。 ②感覚運動モジュールの発達的変化 逆動力学および筋張力推定を介して推定した感覚運動入出力に対して、グラフ理論をもとにしたネットワーク解析を適応することで、新生児および乳児の自発運動時に生じている全身の感覚運動モジュールを抽出した上で比較したところ、生後0か月から生後3か月の間に感覚運動モジュールが増加すること、分離・統合が進んでいることを示した。また、感覚運動モジュールの発達的変化において、上肢筋に比べて下肢筋の変化が顕著であることも分かった。 なお、上記内容は"Developmental changes of sensorimotor modules during early infancy"というタイトルでInternational Congress of Infant Studiesにて発表している。
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