研究課題
若手研究
福井大学と大阪大学でリクルートされた92人の自閉スペクトラム症(ASD)・注意欠如多動症(ADHD)併存患者と141人の定型発達児(5-16歳)に対して構造的MRIを使用し、その脳容積を調査した。ASD・ADHD併存患者は、定型発達児よりも左中心後回の体積が少なく、それは児童期と前思春期のみに認め、思春期では認められなかった。この結果は、左中心後回の成熟遅延に起因する異常な体性感覚が、ASD・ADHD併存患者の中核症状につながっている可能性を示唆している。
小児発達学
福井大学と大阪大学によって比較的多数のサンプルを集積して解析を行った結果、これまで明らかにされていなかった自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)の併存例における脳構造の特徴と発達による変化が明らかとなった。この成果はASD・ADHDのの病態解明に貢献し、ASD・ADHDを客観的に評価するためのバイオマーカーの開発につながる可能性がある。