研究課題/領域番号 |
18K13110
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井出 和希 京都大学, 学際融合教育研究推進センター, 政策のための科学ユニット, 特定助教 (60796275)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 学校保健 / ELSI / 質問紙調査 / 疫学 / 予防医学 |
研究実績の概要 |
研究計画に基づき連携自治体及び全国の保護者を対象とした質問紙調査を遂行した。学校健診情報を要約したレポートを還元している連携自治体を対象とした調査においては、17自治体(79校、7495名)の保護者を対象に11項目の調査票を配布した。調査票の内容は、回答者の社会学的背景、健康に対する関心の変化、健康情報の利活用に対する認識とした。回収は各学校・自治体の担当者を介して行った。回答のコーディング及びデータセット化の後、予備的解析を行った。調査票の回収率は51.6%であり、59.5%の保護者がレポートを家庭で話題にし、47.7%が子の健康に対する関心が高まったと回答した。情報の利活用については、71.2%が活用すべきと回答し、内41.7%が「健康管理や病気の予防に繋がる」との認識を有していた。一方、1.5%の回答者は活用すべきでないと答え、個人情報保護に対する懸念が理由の一つとして挙げられた。全国の保護者を対象とした質問紙調査においては、250000名を対象として調査の案内を送付し、30000名からスクリーニング調査に対する回答を得た。このうち、中学3年生から高校3年生の保護者を対象として学校健診情報の利活用に関する認識についての本調査を送付した。加えて、第2回仙北インパクトチャレンジ(秋田県仙北市)におけるブース出展およびサイエンスカフェ、京都大学アカデミックデイ2018(京都府京都市)における展示を通して、アウトリーチや対話の場を設けることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
連携自治体及び全国の保護者を対象とした調査に加え、アウトリーチ活動を通して対話の場を設けるなど、本研究を推進する上で不可欠な活動を並行して精力的に推進することができたため、「(1)当初の計画以上に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、連携17自治体の保護者を対象とした本年度の調査についてデータを詳細に解析し、その結果を整理すると共に、学術論文の執筆を進める。加えて、全国の保護者を対象とした調査についても、データクレンジング作業と共に予備的解析を進め、学会における成果の公表等を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費や旅費において当初計画と若干の差があり、次年度使用額が生じた。次年度における情報収集や調査結果の整理、学会発表において有効に活用する。
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