研究課題/領域番号 |
18K13110
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井出 和希 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任准教授(常勤) (60796275)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 健康情報学 / 社会医学 / 予防医学 / 疫学 / 学校保健 / ELSI / 学術情報流通 / 政策科学 |
研究実績の概要 |
本研究課題において目標とする「保健水準の向上」や「社会との相互理解の形成」においては、人々が触れる情報について知ることも重要である。2020年度からは、未査読論文(プレプリント)の動向や質の分析を進めている。その理由は、数そのものが増加しているだけでなく、速報性から新型コロナウイルス感染症を含む健康にまつわる情報の根拠として報道等で参照、拡散される機会も認められたためである。主要なプレプリントサーバ(arXiv、ChemRxiv、medRxiv、bioRxiv、Social Science Research Network(SSRN)、Preprints with The Lancet(SSRNの一部であるが、医学系研究に焦点を絞ったプラットフォームであるため区分した))を対象とした継続的な調査では、2021年6月末までに29,503報の新型コロナウイルス感染症にまつわるプレプリントが出版されていることが明らかとなった(2020年9月末時点では16,066報であった)。また、新型コロナウイルス感染症治療薬にまつわる複数のプレプリント(Research SquareやSSRNにアップロードされた後に取り下げられた研究結果)が社会に対して影響を及ぼした事例も観察された。分析の結果からは、取り下げ後の追跡性以外に、批判的な文脈以外でも継続的に引用されてしまう問題が抽出された。得られた成果は、学会等の専門家コミュニティで公表するだけでなく、非専門家向けの場や専門職向けの媒体で共有し、情報の発信を図った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の影響が続き、学会等での情報収集・意見交換やフィールドにおける活動は困難であった。一方、感染症禍で浮き彫りとなった「情報」の質に関する問題にアプローチし、多様な成果を生み出すことができたため、「(2)おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、2021年度に進めた調査を発展・深化させることで、社会との相互理解の基盤となる成果の蓄積を図る。また、学会等での情報収集や論文に留まらない形での情報発信についても試行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響から、旅費、物品費等において当初計画と差が生じた。次年度における情報収集や調査、結果の整理、成果発表のために有効に 活用する。
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