研究課題/領域番号 |
18K13112
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
田村 典久 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (00739435)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 睡眠教育プログラム / 多機関連携 |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、子どもが睡眠促進行動(良質な睡眠を確保するために重要な行動)を実践しやすい支援的な環境を整え、彼らの睡眠健康推進を図るために、地域全体で簡便に実践可能な睡眠教育プログラムを構築し、その有効性と安全性を評価することである。研究の第一段階として、初年度は研究対象地域の市役所職員や保健師、栄養士、幼保・小・中学・高等学校の教職員に、子どもの睡眠健康推進に関わる地域や学校での活動や多機関連携の現状について、面談やアンケート調査を通じて聴取した。その結果、地域では、保健師や栄養士が中心となって保育園・幼稚園・認定こども園にて、毎年11月に就床・起床時刻、朝食の品目に関して目標を設定し、3週間毎日、それらの目標を記録するセルフモニタリング介入が実施されていることがわかった。一方、これらの介入は、保育園・幼稚園・認定こども園に限定され、子どもの就学と同時に終了してしまい、地域と学校との連携が不十分であることが明らかとなった。学校では、食育の一環として、授業で睡眠について取り上げられる機会もあるが、睡眠に焦点化したアプローチや同上の介入が行われる機会はほとんどないことが判明した。また、養護教諭や体育専科の教員を含め、睡眠に関する正しい知識を有していない教職員が多いこと、一方で、学校では睡眠を中心とした悩みを訴える児童・生徒が多い現状も明らかとなった。 現在、第二段階として、各校での児童生徒および教職員の睡眠状況などを把握するための横断・縦断調査の準備を進めている。現時点では、兵庫県内の幼保・小・中学・高等学校の教職員(40名)、小学校1校の全校児童(250名)、大阪市内の中学校3校の1、2年生の生徒(500名)から調査票への回答が得られており、解析の準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象地域の市役所職員や保健師、栄養士、幼保・小・中学・高等学校の教職員を対象として面談やアンケート調査を予定通り実施した。
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今後の研究の推進方策 |
重点的な介入対象集団を選定し、彼らに対する介入教材の作成を進め、子どもの睡眠健康推進のための地域介入を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は高校生の睡眠負債の軽減に重要な睡眠促進行動メニューを検討し、その成果を学術論文として発表したが、国内の学会誌に投稿したため、英文校閲費用が支出されなかった。次年度に予定している横断調査の実施と並行して、その成果を基に新たに論文執筆を行う予定である。
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