本研究の目的は、中学・高校生における睡眠問題を把握し、簡便に実施可能な睡眠教育パッケージを構築して、その効果を検証することであった。1)中学生を対象としてsocial jetlag(SJL)が生活支障度に及ぼす影響を調べた結果、SJLが1時間以上持続している群では1年後にQOLが低下し、抑うつ気分が増強した。2)睡眠負債が100分以上の生徒は日中眠気、イライラの割合が多かった。3)高校生を対象として睡眠教育パッケージを実施した結果、睡眠負債が改善した。この成果を基に睡眠負債が改善した時の目標行動の事後確率を求めた結果、「毎朝ほぼ決まった時間に起きる」等が有効であることが明らかとなった。
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