研究課題/領域番号 |
18K13113
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
畑 千鶴乃 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (60550944)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子どもアドボカシー / カナダ / BC州子どもアドボカシー機関 / child and youth care |
研究実績の概要 |
コロナ禍によりカナダへ訪問調査することが困難となり、次年度へ研究全体を持ち越すこととした。そのため今年度はこれまで収集した資料の整理と翻訳、分析を行い、とりまとめを行った。 一つ目に、BC州に設置されている州立子どもアドボカシー機関である"B.C.'s Representative for Children and Youth"(以降、BC州レプリゼンタティブ)の取り組みを支える法律"Representative for Children and Youth Act"に関して全文の翻訳を行い、法律の構成とその概要を整理した。BC州リプリゼンタティブが子どもアドボカシーを行う上での支援原理および役割や機能、子どもアドボカシーを行う対象、子どもアドボカシーを行う上でのBC州レプリゼンタティブに付置されている権限を把握することができた。またBC州レプリゼンタティブがもつ役割についてヒアリング調査を行っていた資料を整理した。結果、個別アドボカシーを行うこと、重大な事故や死亡にかかる調査・検証を行うこと、BC州が提供するサービスを監視するモニタリングを行うこと、以上3点を遂行することを通じて、「子どもアドボカシー」を実現している点を捉えた。 これらが互恵的に行われることにより、子どもの声を尊重しながら抱えている問題を解決しようとするその手法、さらに問題が解決されない時は、法制度を改善するよう意思決定者に勧告を出して、子どもが直面する問題を解決しようとするその手法など、包括的な子どもアドボカシーの制度的枠組みを有している点を把握した。今後は、子どもに関わる意思決定の場に当事者が意味のある参画をする具体的方法、自治体から提供される子どもサービスへの監視・モニタリングの方法についてさらに調査を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍によりカナダに訪問することができなかったため、"B.C.'s Representative for Children and Youth"における管理運営の詳細を把握することができなかった。またカナダもロックダウンが起こったことから、オンラインミーティングで協議を行ったとしても、取り組みが進行しておらず進捗状況を共有する目的を達成することが困難と判断されたことから、交流そのものも一旦中断している。
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今後の研究の推進方策 |
すでに入手している資料よりBC州レプリゼンタティブの3つの役割(個別アドボカシーを行うこと、重大な事故や死亡にかかる調査・検証を行うこと、BC州が提供するサービスを監視するモニタリングを行うこと)の概要を捉えることを進める。オンラインミーティングを再開し、業務の詳細について聞き取り、把握した内容の確認を進める。 ライアソン大学コミュニティサービス学部子ども若者ケア学科の教育課程の全容を明らかにするため、必修科目シラバスの翻訳を進めることにより、その内容把握を進めておく。そうすることで、訪問した際に、選択科目と必修科目との関連、実習内容と評価の方法、進路について詳細に把握できるようにする。その把握を補完するために、オンラインミーティングを再開し、渡加できた際に円滑に協議できるように進めておく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によりカナダへ訪問することが困難となり、次年度へ研究全体を持ち越すこととした。渡加することができるようになった際には、速やかに訪問調査を再開する。また訪問調査において円滑に調査遂行できるよう、オンラインミーティングによる学術交流を再開する。
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