研究課題
本研究では,子ども向けデジタルアプリケーションが乳児の社会的認知発達に与えるリスク軽減のため,特に共同注意に焦点を当てて,親子のデジタルデバイス使用中の相互作用を検討した。具体的には,親子の相互作用検討にできる限り影響を与えないよう,非接触的な工学技術を開発し,自由場面における親子の視線やりとりを多次元解析した。検討を重ねた結果,親子の相互作用の従来手法による解析(目視による視線コーディング)と一致率の高いシステムを開発するに至った。また,英国においてもデジタルアプリケーション使用時における親子の相互作用データを収集し,日本のデータと比較検討した。その結果,日本の親子と同様のリスク傾向がありながら,異なる視線パタンを抽出することが確認された。以上のことから,デジタルアプリケーションのリスクは東洋西洋を問わず出現し,乳幼児期におけるデジタルデバイス使用については留意が必要であることが確認されたとともに,視線パタンが文化により一様ではないことから,そのリスクの大きさについては文化によって異なる可能性が示唆された。更に、本年度は、新型コロナウィルスのため、日英間の移動および子どもを対象とした対面実験が不可能であったことから、1000家庭以上を対象とした大規模なオンライン質問紙調査を実施し、研究を推進した。それにより、実際の家庭におけるデジタルアプリケーションを使用した遊びに潜むリスクおよびメリットを抽出するに至った。
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ヒューマンインタフェース学会論文誌
巻: 23 ページ: 65-72
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Scientific Reports
巻: 10 ページ: 論文番号11266
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