研究課題/領域番号 |
18K13115
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研究機関 | 鹿児島女子短期大学 |
研究代表者 |
佐藤 慶治 鹿児島女子短期大学, 児童教育学科, 講師 (10811565)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | みんなのうた / 国民文化 / 音楽教育 / 日本放送協会 / 後藤田純生 |
研究実績の概要 |
2020年度においては、これまでの研究の中で発掘した、「みんなのうた」最初のチーフ・プロデューサーである故後藤田純生氏の資料、すなわち、同番組の写真資料や後藤田氏の論考、同番組楽曲に関連する直筆楽譜や台本等の整理を主に進めた。特に以下の3点について分析を行っている。 ①後藤田氏がNHK「みんなのうた」開始前から保有していた楽譜群の分析。これを行うことにより、初期「みんなのうた」の楽曲の源流を導き出すことができ、同年度の日本音楽教育学会九州支部大会において研究発表を行った。②後藤田資料より発掘された「1962年版大きな古時計」の原画写真を使用しての、映像再現プロジェクト。映像研究家の富澤瑞夫氏の協力を得て、当時と近い内容のものを再現することができた(著作権等の処理を行った上で再現を行っている)。③1962年11月3日に放送された「みんなのうた特集」の台本の分析。シンポジウムでの再現に向けて、台本より(1)曲目、(2)舞台美術、(3)演出、(4)セリフ構成という4点を抽出した。 また、前年度得られた知見等も踏まえた上で、2本の論文を発表した。更に、2021年が「みんなのうた」60周年の節目ということもあって、以下のメディア協力も行っている。 ①小学館『女性セブン2021/3/11号』(2/25刊行)における記事「NHK『みんなのうた』60年」にて、取材協力(コメント)を行う。②2021年3月6日放送のNHKEテレ「そして『みんなのうた』は生まれた(1)」で、取材協力・資料提供を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年2月に東京で本科研費課題のアウトリーチとしてのシンポジウムを開催予定であったが、コロナ禍における緊急事態宣言の影響で、延期を余儀なくされた。この延期もあり、本来は2020年度で終了する予定だった本科研費課題の期間を1年間延長し、2021年度までの研究期間に変更している。 また、2019年度にコロナ禍の影響で調査できず、2020年度に計画を延期していた、イタリア・ボローニャにおける音楽祭「ゼッキーノ・ドーロ」の調査研究について、2020年度もコロナ禍の影響で行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本科研費課題の研究期間を2021年度まで延長し、2021年5月に千葉市でアウトリーチとしてのシンポジウムを開催する予定である。このシンポジウムの内容としては、「みんなのうた」最初のチーフ・プロデューサーである故後藤田純生氏の制作担当時代(1961~74)を中心に、同番組の開始目的や背景、意義を検討する予定である。また、「1962年版大きな古時計」再現映像の公開と、1962年11月3日「みんなのうた特集」の台本を使用した「再現コンサート」も、本シンポジウム内で行う予定である。 その他、これまでの研究成果を著書や論文の形で2021年度中に発表予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に予定していたシンポジウムについて、コロナ禍の影響で行うことができず、2021年度に延期となったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額については、全てシンポジウム開催関連費とする予定である。
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