研究実績の概要 |
2021年度においては、これまでの研究の中で発掘した、「みんなのうた」最初のチーフ・プロデューサーである故後藤田純生氏の資料の整理を更に進めるとともに、以下の形でアウトリーチとしての成果発表を行った。 ①2021年5月に公開シンポジウム「国民文化としての1960年代「みんなのうた」-NHK「みんなのうた」60周年に寄せて」を開催した。佐藤はこのシンポジウムにおいて、研究報告「国民文化としての1960年代『みんなのうた』-後藤田資料の分析を通じて」および「1962年版《大きな古時計》映像再現の試みについて, および映像公開(富澤瑞夫氏との共同)」を行うとともに、「『みんなのうた』特別番組の台本を使用したソロと合唱によるコンサート」の企画制作を行った。このコンサートは1962年11月3日放送「みんなのうた特集」の台本を使用したコンサートであり、①台本②曲目③舞台セット④演出という4点についての学術的な再現となる(著作権処理の上で実施、元々の映像は残っていない)。1961年に始まった5分間のミニ番組が、開始わずか1年半の後に大規模の特集を組まれるということは、当時における同番組の大変な人気を裏付けており、その点を視覚的に体感するという意味でも意義のある企画と言える。シンポジウムについては、所属研究機関のHPを通じて動画配信を行っている。 ②2021年5月2日に放送されたNHK総合「どーも、NHK」の中の「ことし60年を迎えた『みんなのうた』の魅力を再発見!」という特集コーナーにおいて、取材協力(コメント)を行った。 ③2021年9-12月に横須賀美術館で開催された「生誕100年 谷内六郎展」において、前年度に再現を行った「1962年版大きな古時計」映像を展示した(依頼有、著作権処理の上で展示)。 また前年度得られた知見等も踏まえた上で、3本の論文発表と1件の国際会議での研究発表を行った。
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