研究課題
本申請課題は、同一の年齢集団内における成長や発達の差異に注目し、相対年齢(月齢)、体格、運動能力、保育者からの運動に対する評価(理解)が子どもの運動・スポーツへの積極性にどのような影響を及ぼすかについて検証することである。これにより、運動・スポーツに消極的な子どもの参加促進を目指し、子どもの成長や発達の差異を考慮した具体的な対応策を講じるための研究基盤を確立する。2018年度においては、保育者の幼児の運動能力・運動発達を評価(理解)する視点(すなわち、「保育者はどこを見て、子どもの運動能力や運動発達の段階を理解しようとしているのか?」) について明らかにした。具体的には、まず、保育者における幼児の運動能力・運動発達を評価する視点に関する文献を収集した。さらに、保育者を対象に質問紙調査を実施した。調査項目は、①運動遊びに対する意識、②運動発達の評価 (理解)視点に関する項目、③運動遊びの実態、④運動あそび指導の自信等である。なお、②運動発達の評価(理解)視点については、予備調査によって得られた自由記述をもとに分類し項目を設定した。具体的には、自身の保育経験、同年齢・同一学年のこども、上司や同僚の意見や助言、年齢や月齢によらない運動発達の理論等であった。また、①・③・④の項目は、幼児期運動指針および先行文献情報を踏まえ項目を設定した。これらの学術成果は、2019年度に国際学会にて発表するとともに国際誌に投稿できるようまとめた。さらに、養成校や保育者向けの研修会において積極的に発信するとともに、教育内容の充実を図る。
3: やや遅れている
実施予定であった運動・スポーツへの積極性の測定方法の検討および運動能力測定に想定以上に時間を有した。猛暑の関係で、協力園でこれらの測定が中止せざるを得ない状況となりやや遅れている状況である。なお、この点については、園との調整を進めており2019年度中に実施できる予定である。
今後の推進方策として、運動・スポーツへの積極性の測定方法の検討を進め、予定している運動能力および運動・スポーツへの積極性の測定を実施する。研究成果は、国内・国外の学術学会や学術論文を通して世界に発信することで社会貢献を果たしていく。
すべて 2019 2018
すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 学会・シンポジウム開催 (2件)