研究実績の概要 |
本研究は、子どもが周囲の音を聴き、意味付けていく、といった音体験について、物理的な音事象、音に関わる文化・社会的規範と関わりつつ、実際の音体験がいかに形成されていくのか、そして音体験が子どもの育ちにとって持つ意味はどういったものであるのかを検討することを目的としたものである。 本年度は、文献調査、実地調査を行った。実地調査では、研究協力園1園(I園)を計3回訪問し、保育活動・ワークショップ等の観察調査を行った。関連事項として、国際学会(Nordic Bartic ISCAR)への参加及び情報収集、また昨年度に続き、アート教育に関する共同研究を行っている国内・海外研究者、保育実践者との想像遊びに関する研究会への参加、児童発達支援センターへの訪問及び音環境に関する意見交換も行なった。 研究協力園への調査では、アートワークショップ(8月:年長児, 3日間訪問)と音楽ワークショップ(10月:年長児3クラス・クラスの想像遊びを題材とした歌作り, 1月:1歳児, 2歳児, 満3歳児:音楽家との即興的なやりとり、各1日訪問)の開催日に訪問し、ワークショップ及び音楽活動や通常保育場面での活動についての観察データを取得した。また保育者との保育活動に関する意見交換、アーティストとのアート・音楽活動に関する意見交換も行った。データ分析については、想像遊び、音楽活動を取り上げ、それぞれにおける音体験の意味についての検討を進めている。
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