研究課題/領域番号 |
18K13146
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
濱田 秀行 群馬大学, 教育学部, 准教授 (70627538)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 国語 / 読むこと / 物語 / 文学的な文章 / 談話分析 / 質的研究 |
研究実績の概要 |
国語科の授業において,子供が互いの読みを聴き合う学習活動を通して物語についての読みの深まりを協働的に創り出すための課題と学びのデザインについて明らかにすることを目的に研究を進めた。本年度は,研究協力校である小学校2校を中心にフィールドワークを行い,継続的な授業観察と授業映像データの収集を行った。100時間を越える授業の記録を収集し,そのうち,35時間が文学的な文章の授業実践であった。そのうちの10時間について授業映像データから作成した談話記録とフィールドノーツを対象に,物語の読みの授業における学習課題と子どもの問いや反応について分析を行った。文学的な文章を読むことの指導において重視される,ことばから想像するという行為の内実について認知科学における「共感」研究の知見に学びながら検討を進めてきた。 学習指導要領において,物語を読むことにかかわる指導内容は各学年の指導事項として明確に位置付けられており(文部科学省,2017),「読むこと」の指導を考える上で,子供が互いの読みを聴き合う学習活動をどのように構成するかは重要な課題である。我が国では「読むこと」の指導過程について子供が互いの読みを交流する学習活動を核に組織することが重要であるとの認識が早くから共有され,これまで多くの実践者によって取り組まれてきている。次期学習指導要領においても「読むこと」領域の学習過程は「構造と内容の把握」,「精査・解釈」,「考えの形成」,「共有」からなるものとされ,読みを交流する学習活動が学習過程の要素として明確に位置付けられている。本研究の成果は,この読みの交流過程における子供の学びの質を高めるための実践的な示唆を有するものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者と良好な関係を保持し,予定通りデータを収集することができている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,物語についての読みの深まりを促す問のあり方についての仮説を実践者と共有し,実践の活動,デザイン,省察のそれぞれにおいて協働しながらアクション・リサーチを展開する。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末の時点で緊急に必要となる備品等がなかったため。
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