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2020 年度 実施状況報告書

実験方法の妥当性と信頼性に関する生徒の評価・判断能力の解明とその向上

研究課題

研究課題/領域番号 18K13148
研究機関千葉大学

研究代表者

大嶌 竜午  千葉大学, 教育学部, 助教 (40700414)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード実験活動 / 妥当性 / 信頼性 / 評価能力 / 判断能力
研究実績の概要

第3年度目における研究実績は以下の通りである。
第一に,生徒の実験計画書の検討を深め,生徒の実験計画能力の実態解明に取り組んだ。148名の生徒を対象に調査を行った結果は以下の通りである。①実験計画書へ無記入の生徒は9名,②連続変数として独立変数を記述した生徒は83名で,非連続的な変数として独立変数を記述した生徒は44名,③連続的な変数として従属変数を記述した生徒は100名で,非連続的な変数として従属変数を記述した生徒は25名,④記述された実験方法が,生徒が記述した「実験で明らかにしたいこと」に対応していて,かつ正しい実験方法を記述した生徒は60名,⑤対応しているが誤りのある実験方法を記述した生徒は36名であった。
第二に,実験方法の妥当性や信頼性を判断する際の中学生が保持する基準を明らかにするための調査結果の分析を深めた。878名の生徒を対象に調査を行った結果は以下の通りである。①多くの生徒は,測定間隔を一定にすることを理解している一方で,測定範囲を広く取ることに関しては十分には理解していない可能性があること,②生徒は,取り扱われている科学的事象や実験方法の性質から,測定回数やサンプル数を適切に決定することができ一方で,「ある値が2回出ればその値が正解」や「過半数を占めた値が正解」という誤った考えを持つ生徒も見られたこと,③「実験結果はどのようなデータであってもすべて使う」という選択肢を選ぶ生徒が多く,外れ値の取り扱いについて正しく理解できていないこと,④生徒は,変数の構造から実験活動を捉えることに困難を感じている可能性があること。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナの状況により,当初計画の通りに進まない部分はあるものの,調査から得られた結果の分析を深め,実践への示唆を得られたため。

今後の研究の推進方策

今後は,調査校における受け入れ状況にもよるものの,これまでの知見を元に,授業を開発し,その授業評価に取り組む。また,海外との比較調査も同時に進めているが,タイでの調査を断念し,これまでに得られた,日本,フィリピン,インドネシアでの調査結果を横断的に分析し,国際的通用性のある提案に務める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Lessons for content delivery with emphasis on elements of Nature of Science in the teaching of middle school science2021

    • 著者名/発表者名
      Huang YuanLing and Oshima Ryugo
    • 雑誌名

      千葉大学教育学部研究紀要

      巻: 69 ページ: 77-82

    • DOI

      10.20776/S13482084-69-P77

  • [雑誌論文] 実験方法の妥当性に関わる判断を伴う実験計画に対する生徒の意識:―中学校第一学年「力の大きさとばねののび」を事例として―2020

    • 著者名/発表者名
      大嶌竜午
    • 雑誌名

      理科教育学研究

      巻: 61 (2) ページ: 219~228

    • DOI

      10.11639/sjst.20002

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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