研究課題/領域番号 |
18K13153
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
范 文玲 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (70780039)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 魯迅 / 「故郷」 / 国語科授業 / 中国 |
研究実績の概要 |
初年度に当たる本年度は、来年度以降の本格的な実地調査に向けた下記の研究・調査を行った。 1、「故郷」の教え方に関する基礎的資料を収集することができた。それらの資料で文献整理による実地調査のための準備を行った。 2、2018年7月より中国の義務教育期の国語教科書が全国統一され、それまで各出版社独自に設定されていた学習目標や学習の手引きなどが一新されたことに伴い、それらがどのように変化したか比較考察し、12月8日に行われた東京学芸大学国語教育学会で研究成果の一部として発表した。 3、日本の私立中学校1校、附属中学校1校で実地調査を行った。前者の学校においては、当初2クラスに対する調査の予定が、協力校の全面協力を得て、全6クラス計251名分の生徒の故郷に対する考えに関するアンケート紙を回収することができ、比較的サンプル数の多いデータを得ることができた。そのほかに、東京の附属学校1校で教育実習生の授業を見学、神奈川県の中学校1校で教諭の実践の一部を見学・調査、岩手県の附属学校1校での公開授業を見学・調査した(神奈川と岩手の2校の実践は本研究の調査データとして使用することが許可された)。 4、本研究に関する情報収集のため、6月1日~3日に行われた岩手大学教育学部附属中学校学校公開教育研究発表会や前記の東京学芸大学国語教育学会、同学附属学校国語部会等に参加した。 5、中国のいくつかの中学校に連絡し、次年度の実地調査への協力の内諾をいただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に実施を予定していたリサーチ会社への委託によるオンライン調査は、もう少し実地調査を行って授業の実態を把握してからのほうが良いと判断し、今年度は行わなかったが、調査自体は時間がかからないため、次年度以降良きタイミングで実施する予定である。また、計画では「可能であれば」としていた実地調査を2回実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き日本と中国の中学校での実地調査を行っていくが、中国の中学校での調査は、中国政府の規制の厳しさ(時期や国交状況などにより変わる)に影響されることもあるようで、調査時期の変更や調査方法の変更など臨機応変に対処する必要がある。また、2年目および3年目に計画している仙台の中学校での調査への協力校をまだ見つけておらず、これから確保する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度に実施予定であったリサーチ会社への委託によるオンライン調査を行わなかったため。当該オンライン調査は次年度以降に実施する。
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