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2018 年度 実施状況報告書

小学校音楽科におけるプログラミング教育のためのカリキュラム開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K13161
研究機関広島大学

研究代表者

寺内 大輔  広島大学, 教育学研究科, 准教授 (60613891)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードプログラミング的思考 / 小学校音楽科 / カリキュラム開発 / 即興的表現活動
研究実績の概要

本研究の目的は,小学校音楽科において,即興的表現活動をとおして児童の「プログラミング的思考」を育むためのカリキュラムを開発することである。
初年度となる平成30年度は,プログラミング教育や即興的表現活動に関連する資料や先行研究,およびプログラミング教育の実践例を収集するとともに,プログラミング教育をテーマとしたシンポジウム等に参加して最新情報の収集につとめた。
その他,デンマークの音楽家Carl Bergstrom-Nielsen氏を迎え,即興的表現活動のワークショップ「Creative Music Improvisation」を,また,イギリスで音楽と関わったSTEM教育活動を展開しているグループ「conductive music」のディレクターEnrico Bertelli氏を迎え,レクチャーとフリートーク「新しいテクノロジーを使った音楽教育の可能性」を開催した。
実践的研究については,小学校音楽科(高学年)における授業を対象とし,授業者の長山弘とともにその教育的可能性を検討した。この授業の目的は,「元気の良い感じで歌おう」のようなアナログな思考が反映された言葉と,「ヴェロシティ」,「BPM」のようなボーカロイドで一般的に用いられるデジタルな思考が反映された言葉との違いに着目し,ボーカロイドによる歌唱表現を工夫する活動をとおして,児童のなかにある両方の思考を往還させることであった。授業観察をとおして得られた成果と課題は,日本音楽教育学会の大会で発表した(口頭発表,筆頭発表者は長山弘)。また,音楽祭「CMF,クリエイティヴ・ミュージッ ク・フェスティバル2018」のワークショップ「音符を使わない作曲」では,講師として,プログラミングの基本処理をふまえた作曲方法に関する講演と指導を行い,受講生の創作過程および創作物から,今後の研究の示唆を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

資料や先行研究の収集や,カリキュラム開発のための要点の整理がまだ不十分であることから,「(3)やや遅れている」とした。
研究が遅れている理由は,病気療養や「平成30年7月豪雨」に伴う事情といった個人的なものである。

今後の研究の推進方策

今後の推進方策は次の3つである。
1.カリキュラムを開発のための要点を整理する。
2.カリキュラムの一部を成す授業を開発する。必要に応じて,応募者が勤務する大学の附属小学校のほか,公立・私立小学校にも研究協力を依頼し,実際の授業実践をとおしてカリキュラムとしての妥当性・有用性を検討する。
3.研究代表者が平成29年に開発した,スマートフォンやタブレット端末の通信機能を使用して,聴衆の立場にある児童がステージ上の即興演奏に介入することのできる教材《サンカプレイ(Sanka Play)》を取り上げ,その教育的意義をプログラミング教育の視点で検討するとともに,現場の小学校教員にとってより使いやすくなるような改良を試みる。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
平成30年度は,物品費として425,000円,旅費として425,000円,謝金として100,000円,その他として50,000円,合計1,000,000円の使用を予定していた。物品費については,購入した書籍が予定よりも少なかったため,予定していた金額のおよそ2/3に留まった。旅費は,当初予定していた海外への取材を取りやめたため,予定していた金額のおよそ半分の使用に留まった。謝金については,資料の整理のための支出は予定よりも多かったが,「専門家からの専門的知識の提供」のための支出が予定より少なかったため,予定していた金額のおよそ半分の使用に留まった。その他については,論文のダウンロードがすべて無料のものだったため,予定よりも大幅に少ない支出に留まった。結果,合計571,795円の支出となり,計画よりも428,205円少ない金額となった。
(使用計画)
物品費としては,研究に関わる書籍の購入等に使用する予定である。旅費としては,情報収集,研究成果の発表等に使用する予定である。特に,令和1年度は,マカオで開催されるAPSMER(12th Asia Pacific Symposium for Music Education Research)への参加を予定しているため,旅費等で大きい支出になる見込みである。謝金としては,平成30年度と同様,資料の整理や授業開発・カリキュラム開発のための専門的知見の供与等に関わる謝金にあてる予定である。その他については,学会の大会参加費のための使用も予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 音楽表現を工夫するためのリテラシー習得を目指した授業の開発―コンピュータの歌唱表現を工夫する活動を手がかりに2018

    • 著者名/発表者名
      長山弘,寺内大輔
    • 学会等名
      日本音楽教育学会

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公開日: 2019-12-27  

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