研究課題/領域番号 |
18K13161
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
寺内 大輔 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (60613891)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | プログラミング的思考 / 小学校音楽科 / カリキュラム開発 / 即興的表現活動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,小学校音楽科において,即興的表現活動をとおして児童の「プログラミング的思考」を育むためのカリキュラムを開発することである。3年目となる令和2年度は,プログラミング教育に関する最新情報の収集につとめるとともに,教材開発の手がかりとなる実践および教材の開発をすすめた。成果としては,次の3点が挙げられる。 ①「プログラミング的思考」の育成に寄与すると思われる教材《サンカプレイ(Sanka Play)》(本研究代表者が平成29年に開発)を用い,Web会議サービス"Zoom"と併用した実践を2度行い,それらの一部を取り上げたシンポジウム(日本音楽即興学会 第12回学術大会「遠隔集団即興演奏の可能性を議論する―どうやってやるの?何がおもしろいの?」で話題提供を行った。 ②パフォーマー同士がお互いに関係し合うことによって音楽がつくられるという点で,本研究との関わりが深いと考えられる,塩見允枝子によるテクストスコアに基づいたパフォーマンス作品に着目し,その公演にパフォーマーとして参加した。 ③教材《ステージ(Stage)》(本研究代表者が平成28年に開発)をもとに,「プログラミング的思考」を育むうえで重要とされる「命令の組合せ」や「条件分岐」といった要素を含めた教材《ネクストステージ(Next Stage)》(仮)を,ほぼ完成させた。 ただし,これらのうち,③については現時点で未発表である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
3年目の成果のなかで次年度につなげるためにも不可欠な,新たに開発した教材がまだ発表できておらず,また,Covid-19の影響で,その教材を用いた研究授業の目途が立っていないことから,「(4)遅れている」とした。このことから,事業期間の延長の申請を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策は次の4つである。 1.これまでの実践授業を振り返り,「プログラミング的思考」との関連を考察する。 2.令和2年度に開発した教材を発表するとともに,「プログラミング的思考」の育成との関連性を示す。 3.前述の教材について,可能であれば小学校に研究協力を依頼し,実際の授業実践をとおしてカリキュラムとしての妥当性・有用性を検討する。 4.小学校音楽科における即興的表現活動を軸とした「プログラミング的思考」を育むためのカリキュラムを開発し,提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(次年度使用額が生じた理由) 令和2年度は,合計700,000円の使用を予定していた。しかしながら,Covid-19の影響で,開発した教材を用いた研究授業の目途が立たなかったことから次年度使用額が生じた。 (使用計画) 物品費としては,研究に関わる書籍の購入等に使用する予定である。旅費としては,情報収集,研究成果の発表等に使用する予定である。謝金としては,平成30年度~令和2年度と同様,資料の整理や授業開発・カリキュラム開発のための専門的知見の供与等に関わる謝金にあてる予定である。その他については,学会の大会参加費,英語論文校正費のための使用も予定している。
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