最終年度は、①教師へのインタビュー調査、②生徒への質問紙調査の論文執筆及び学術雑誌への投稿を行った。 研究期間全体を通じて、主に①教師への質問紙調査、②教師へのインタビュー調査、③生徒への質問紙調査を実施した。 ①教師への質問紙調査では、調査校の教師は全体的な傾向として、ゼロ・トレランス理念に基づく生徒指導を肯定的に捉えていることが明らかとなった。しかし、自由記述の分析からは、多くの教師がゼロ・トレランス理念に基づく生徒指導に課題があると認識していることも明らかとなった。特に生徒への指導の在り方や教師が指導の統一をできていないことを課題として認識していることが明らかとなった。また、教師の指導の統一を図ることで、教師間に指導に対する認識の差異が生じ、そのことによって教師間の良好な人間関係を構築することを難しくする可能性があること等の知見も得られた。これらの研究成果の発信は、学会発表及び学術雑誌への投稿にて行った。 ②教師へのインタビュー調査は、コロナウイルスの影響により最終年度に実施したため、現在調査結果の分析を行っている過程にあるが、まとまり次第研究成果は学術雑誌への投稿を予定している。 ③生徒への質問紙調査では、全体的な傾向として調査校の生徒はゼロ・トレランス理念に基づく生徒指導を肯定的に捉えている実態が示された。ただし、生徒指導を頻繁に受ける生徒群と受けない生徒群とを比較した場合、生徒指導を頻繁に受ける生徒群は自校の生徒指導の体制に不満を抱いている傾向にあること等も示された。これらの研究成果の発信は、学会発表及び学術雑誌への投稿にて行った。
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