研究課題
今年度においては以下のことを実施した。(1) ザンビアの共同研究者とともに、研究、調査の枠組みについて協議し、授業データの収集を行った。(2) 研究に関連した先行研究(専門的職能成長、一人計算、学習理論、社会文化性)を収集し、教員の職能成長、教授的内容知識(PCK: Pedagogical Content Knowledge)に関する先行研究や社会文化的観点による先行研究(Radfordの社会文化論、アイデンティティ研究、スコスモースの批判的数学教育等)を整理した。(3) 現地調査実施のため、ザンビア共和国一般教育省ナショナルセンターにおいて研究許可を得て、ザンビア国ルサカ州のルサカ郡における公立校において就学前教育と初等教育において授業や教師、生徒に関するデータ収集を実施した。(4)それらのデータの生徒と教師の発話をプロトコルにおこし、共同研究者(現地ムルングシ大学所属のMs. Gondwe)とともに学習指導について大まかな整理を行った。(5) これまでのデータを整理・分析して、就学前教育(レセプションクラス:年長児クラス)のはめ込み・取り外し(embeddingとdisembedding)に関する図形教育の実践と教師の職能に関して成果をまとめ、南アフリカのジャーナルに論文を投稿した。論文においては、教材実施の際の教師のプランニングでの教材の理解や計画段階における実践への理解が、授業における子供への発話や数学教育的な内容のインプットにも影響していることや、指導内容を簡潔に子どもに伝えることが効果的な指導へと繋がることについて論じた。
2: おおむね順調に進展している
ザンビア国の研究協力者とともに、協力してデータ収集を行うことができている。
今年度は出張可能性が低いため、これまでのデータを分析し、教師の職能成長とともに子どもの算数における学習の成果や課題、特徴などについても明らかにする。
データ収集のための出張に行くことができなかったため。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件) 図書 (3件) 備考 (1件)
Zambia Journal of Teacher Professional Growth (ZJTPG)
巻: 5(2) ページ: 72-92
『数学教育学研究』
巻: 25(1) ページ: 33-48
https://www.nagisanakawa.com/%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%A5%AD%E7%B8%BE/