本研究は、高校生対象のタブレットによる新たなBG教育のプログラムを開発し、情意面に配慮した学習支援をすることが目的である。申請者が行ってきた、高等学校情報科におけるビジネスゲームを利用した教育実践プログラムの開発の成果から、タブレットの環境はビジネスゲーム(以下BG)の教育プログラムにポジティブな側面が示された。具体的には、高校生がBG学習でタブレット利用する場合、1.彼らの心の動きとの高い親和性、2.学習意識向上の可能性、が明らかになった。本研究では、タブレットによるBGの学習時の心の動きに配慮された教育プログラムを新たに開発することが目的である。加えて、若手(B)で課題とされた高校生の「モデル化の理解が不十分という問題」の解決方法を探求した。
結果として、以下の知見が示された。1.本研究の成果では、同期型BGの事例において情意的側面から支援を行った結果、予想されたドロップアウトの問題を解消し継続的な学習活動を実現することが確認された。2.PriceGameによる意思決定の繰り返しが、「モデル化とシミュレーション」の理解に加え、分析力や問題解決能力が向上するという結果となり、BG実践と問題発見・解決の授業展開と連携し、合意形成や相互理解をサポートした効果の高い教育プログラムが達成できた。3.指摘されている「モデル化」の指導が不十分である要因を解決し「モデル化とシミュレーション」を教育プログラムを実現した。4.詳細な分析と実践によって、タブレットは高校生の情意面を制御できる学習端末であるという側面から支援することで、学習意欲を維持することができた。 これらの結果は、学習指導要領改定にも対応可能な成果として意義のある知見となる、と考えられる。
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