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2023 年度 実績報告書

子どもの音楽学習における替えうたの創出・共有とその意味について

研究課題

研究課題/領域番号 18K13178
研究機関埼玉大学

研究代表者

森 薫  埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90624859)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2024-03-31
キーワード替えうた / わらべうた / 音楽科 / 音楽学習 / マイクロ・エスノグラフィ
研究実績の概要

これまでに行ってきた小学校での調査と分析から、替えうたや即興的につくられるとなえうたが、子どもたちの学習を支え、理解を促進するものとして(子どもたちが無自覚であっても)機能しているという知見を得ていた。そこで、2023年度は、幼児期の子どもたちが色板を並べて遊ぶ等の活動をする際に、保育者との相互作用を通じてつくりだしているとなえうたにも研究対象を広げて、調査を展開した。算数・数学的な理解を深める過程でも、子どもたちは即興的にとなえうたをつくり出し、ときにはそれをさらに替えうたにして、楽しみながら学んでいる様子が明らかとなった。これについては日本数学教育学会にて論文とともに発表を行った。
本研究を通じて、小学生が、即興的に替えうたというわらべうたの1タイプをつくり出して楽しみながら学ぶ様子や、幼児がわらべうたのプリミティブな音楽構造を活用しながらとなえうたをつくり出して楽しみながら理解を深める様子が明らかになった。現代を生きる子どもたちにとっても、日本の伝統的な音楽の構造やその原理が非常に身近なものであり、時として無自覚に使用されるものであることは本研究の成果であり、また非常に興味深い事実である。人間と、歌うという行為との原初的な結びつきについて考察を深めるうえでも有用な示唆が得られたと考えている。
残された課題としては、替えうたやとなえうたの音韻論の視点からの考察をすることが挙げられる。子どもたちが即興的に替えうたやとなえうたをつくり出す際に、どのような語彙が選ばれ、またそれらの言葉がどのようなリズムを持っているのかといった点については、研究の余地が残されている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 教科横断的な教育における音楽と算数の関わり ―プログラムの開発・実施と事前事後インタビューを通じて―2023

    • 著者名/発表者名
      森 薫、松尾 七重
    • 雑誌名

      日本数学教育学会第11回春期研究大会論文集

      巻: 1 ページ: 17-24

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 幼児のパターンに関する学習における音楽的行動の発現とその意味2023

    • 著者名/発表者名
      森 薫
    • 雑誌名

      日本科学教育学会年会論文集

      巻: 47 ページ: 303-304

  • [学会発表] 音楽と算数の教科総合プログラムにおける 幼児の学びと保育者の役割 -基盤化された認知の理論に基づく考察-2024

    • 著者名/発表者名
      森 薫、松尾 七重
    • 学会等名
      日本数学教育学会第12回春期研究大会

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公開日: 2024-12-25  

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