研究課題/領域番号 |
18K13184
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研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
前田 一篤 広島文化学園大学, 人間健康学部, 講師 (20733231)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | レジリエンス / 教師教育 / 教員養成 / メンタルヘルス |
研究実績の概要 |
本研究は,日本における教員のメンタルヘルスの維持・改善に寄与する研修プログラムを開発・検証することを目的としている。その切り口として,教員の「レジリエンス」を向上させる「ホールシステムアプローチ」を取り入れたプログラムを考案し,その効果について検証することを目的としている。今年度については、教員の「レジリエンス」を高める研修プログラムとして「ホールシステムアプローチ」を基にした3つの手法(「ワールドカフェ」,「チームビルディング活動」,「自然体験活動」)から考案・実施し,参加者の変容を申請者が作成した「教員レジリエンス尺度」を用いて検証することとした。 成果としては、まず、同尺度の信頼性の充実を図るため、小学校教員を対象に「レジリエンス」の比較検討を行い、その検証をした。その結果、因子構造に違いが見られるとともに、中等教育段階における教員の「レジリエンス」は、小学校教員におけるそれと比較して、「同僚性」に関連する「レジリエンス」が低い傾向が見て取れた。今後、さらなる知見を深めるためにも、サンプル数を増やし、異なる視点から検討していく余地がある。また、前年度に検討した自然体験活動のプログラムを実施するところであったが、気候の影響でその内容を急遽変更して対応せざるを得ない状況となった。結果としては、参加者の「レジリエンス」に高まりは見られたが、その要因については変更された内容も考慮して行う必要があると考えられる。 今後の課題として、「教員レジリエンス尺度」と関連する心理的概念の測定尺度を用いて比較検討する必要があると考えられる。また、質的なアプローチから「レジリエンス」の変容に迫ることも求められる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回、自然体験活動を実施してその効果について「レジリエンス」の視点から検証する予定であったが、天候の影響によるプログラムの急な変更のため当初の予定通りに実施することができなかった。また、昨今の社会状況を勘案すると、集団でのプログラムの実施が困難な状況にある。今後は、そういった状況が要因となる「レジリエンス」の変容を検討する方向に切り替えることが必要であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
集団でのプログラムの実施が困難な状況にある今、異なる視点から「レジリエンス」に迫ることが求められる。そのため、今後は、休校などの対応に迫られる教員がどのようなリスクを抱え、それをどのように克服していくかを検討する予定である。さらに、その成果を関連する学術誌に投稿する予定である。
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