研究課題/領域番号 |
18K13189
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研究機関 | 国際教養大学 |
研究代表者 |
成澤 徳子 国際教養大学, 国際教養学部, 研究員 (90614107)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高等教育 / モビリティ / 大学の国際化 / 留学生市場 / 留学生ニーズ / 移民 / 国際比較研究 / サブサハラ・アフリカ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、学生の国際移動が頻繁で将来性のある留学生市場として世界に注目されているものの、いまだ高等教育のエリート段階にある学生の海外留学に関して、意思決定要因を含めたミクロな動態が十分に解明されていないサブサハラ・アフリカ地域について、高等教育分野における学生の国際モビリティの実態を包括的に明らかにすることである。 令和2年度は、アフリカ地域外の国々まで対象を広げて、高等教育政策や移民の受け入れ及び社会的統合に関わる文献資料の収集と分析を進めた。移民の国際移動に関しては、前年度に引き続き、高度人材だけでなく単純労働者も含めてマクロレベルの分析をおこなった。 学生の移動に関するミクロ分析に用いるデータ収集については、少子高齢化や人口減少の問題が日本のなかで最も深刻な都道府県のひとつであるといわれる秋田県を事例として、ローカル社会における外国人材の受け入れを中心に調査分析を進めた。地元の伝統行事の継承とアフリカ出身者を含む外国人留学生の受け入れについて、前年度に実施したフィールドワークで得たデータの分析と論文執筆をおこなった。並行して、県内の農業法人を対象に聞き取り調査を実施し、稲作主体の農業における外国人労働者の受け入れの可能性を検討した。学生の日本留学を受入れ社会側の視点で検討し、本研究課題について多角的な観点から分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度半ばに研究の活動拠点が日本へ移ったことで、現地調査は日本国内でのフィールドワークに比重を置く予定であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、海外渡航を断念したほか、国内においても新たな調査先を開拓して関係を築くことが困難となったため、フィールドワークによるデータ収集が滞った。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染拡大が収束するまでは、海外および国内でのフィールドワークによる事例収集を自粛せざるを得ないため、文献調査と過去のインタビュー調査で収集したデータの分析、及びオンラインによるデータ収集に注力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたフィールドワークや研究会報告が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて実施できなかったために生じた。次年度の研究図書購入費、学会旅費、調査協力者に支払う謝金に充てる予定である。
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