この研究は、日本の大学における内なる国際化(Internationalization at Home)の効果に影響を与える組織的および人的要因が何であるかを明らかにすることを目的としている。これまでの研究では、大学の国際化がステークホルダーに与える影響を理解するために、複数の国内外の大学でケーススタディを行ってきた。具体的には、大学のステークホルダーにインタビュー調査を行い、国際共修の教育効果や国際教育のICT化の有用性や方法論について海外の大学と比較研究を行った。 令和5年度には、研究者が育児休暇を取得して研究を中断したため、計画当初の活動がほとんどできない状況だったが、以下の2点を行えた。 (1) 収集したデータの整理・分析:これまで継続して行ってきた国内大学のステークホルダー、特に学生に対するインタビュー調査の実施・データ分析を行った。具体的には、大学の内なる国際化の効果に影響を与えた人的要因を検討するために、(a) 大学生のグローバル・コンピテンスの変容、および (b) 大学生のグローバル・コンピテンスに影響を与えている要因について量的・質的なアプローチで分析した。 (2) 論文の執筆・投稿:上記の(1)を含め、これまでの研究成果をまとめ、論文として投稿した。 これらの研究活動により、本研究の最終年度としての総括を行うことができた。
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