研究初年度は、対応に困る学習者の現状を把握することに重点を置いた。インタビュー協力の呼びかけに対して了解をした、国内の教育や臨床現場で学習者に実際に教育指導を行っている教育者17名にインタビューを実施することができた。その教育者の所属は、大学、専門学校、大学病院、診療所で、専門領域は医師、歯科医師、看護師、薬剤師、理学療法士、事務職員であった。様々な領域の教育者に対して、広くインタビューが実施できた。 インタビュー内容は、教育者が感じた事例で「どのような学習者に対して対応に困ると感じたのか」について、「その具体的事例内容(学習面・態度面・技術面など具体的に)」について、「問題はどこにあると考えているのか(学習者・教育者・環境など具体的美」について、さらに「その時に行った対応(うまくいった点・うまくいかなかった点」などについて、一人につき約1時間話を伺った。 教育や臨床現場の教育者は、対応に困ると感じる学習者と遭遇する可能性があるが、どのように対応したらよいか日々悩みながら対応されている様子が窺えた。計画書にも予測される対応に困る学習者のカテゴリー分けを挙げたが、学習面での困難がみられる学習者、医療者としてもしくは社会人として期待される行動ができない学習者、発達障害が疑われる学習者など様々挙げられた。今後の研究期間で、収集したインタビュー内容を詳しく分析し、利用可能な教材作成へとつなげたいと考えている。
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