2023年度の対応に困る医療系学生や若手医療者への教育的方法を学ぶ学習プログラムの構築に関する実績について以下に示す。 ①学習プログラムの構成:これまでに行ったインタビューなどから、対応に困る医療系学生や若手医療者への教育・支援に関する困りごとや現状を知ることができた。そのうえで、対応に困る医療系学生や若手医療者への教育・支援を行うために、教育者や支援者がどのような能力を備えることが必要なのかをワークショップにて抽出した(2023年1月26日第84回医学教育セミナー&ワークショップ、WS1わたしの学習者支援力をブラッシュアップする、企画者川上ちひろ)。そこで抽出されたキーワードを分類したところ、「学習(職場)環境を整える」「教育者の資質向上」「学習者の特性の理解」に分けることができた。 それをうけて、学習マネジメントシステムLMS(Moodle)を利用した学習ツールを作成し、最近の学習者のニーズに合わせた5分程度の動画を多く掲載した(2024年4月で70本程度作成)。「学習(職場)環境を整える」には障害者差別解消法などの法律、障害福祉サービスの概要、成人教育の基本、学内の支援体制などに関する説明、「教育者の資質向上」にはコミュニケーションの方法、ハラスメント、シミュレーション学習について、共感に関する知識など、「学習者の特性の理解」には記憶の構造について、大学生における不登校や引きこもり、SNSなどについて、その領域の専門家に依頼し、作成してもらった。 Moodleの運用を開始しているが、2024年5月上旬には200人程度の教育者・支援者に登録していただいている。今後は、動画の必要に応じて種類を増やしつつブラッシュアップを図り、Moodleに登録いただいた方への調査(学習者支援に役に立っているか)とブラッシュアップなどを行っていきたい。
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