研究実績の概要 |
大学生の不登校は世界的に見てもわが国で特に問題視される現象である。本研究は、日本とカナダで大学生のメンタルヘルスに関わる専門家を対象として、大学生の不登校に対する認識や関わり方の特徴を比較検討する調査を実施し、不登校を生み出す環境側の要因を明らかにしようとするものである。初年度である2018年度は、これまで研究代表者が大学内の学生相談室でかかわった不登校学生の事例の見直しと類型化を中心に行なった。そのうち一つの事例については下記の国際学会で発表し、主に北米の臨床心理の専門家らからコメントをもらうことができた。 ・Nanae Takenaka. (2018). The psychological difficulty seen in the Japanese young adults today. In: The international society for psychology as the discipline of interiority, 4th International Conference. July 31st, 2018 (Dublin, Ireland). また、別の不登校学生の事例を取り上げた論考が、2019年夏に出版予定の下記の書籍に収録される予定である。 ・Nanae Takenaka. (in print). Voices from nature and withdrawal (Hikikomori) in Japanese culture. In: East Asian Cultural Complexes. Spring Journal Books. その他にもカンファレンスの開催や他大学学生相談室への視察を通して学生相談に関わる臨床心理学の専門家らと意見交換を実施し、わが国の大学生の不登校の実態とその理解や関わり方の特徴について検討した。
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