研究課題/領域番号 |
18K13193
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹中 菜苗 大阪大学, キャンパスライフ健康支援センター, 講師 (20510291)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 大学生の不登校 / カウンセリング / 国際比較 |
研究実績の概要 |
R2年度は、まずは調査のために必要な大学生の不登校に関する模擬事例を2例確定した。1つは学業以外のサークルやアルバイトといった活動には支障をきたしていないタイプの不登校事例、もう1つは発達障害傾向が疑われ、不登校状態から自室に引きこもりがちになるタイプの不登校の事例とした。いずれも大学における学生相談に長く携わる、複数の臨床心理学の専門家らと協議し、普遍性の高いものにするよう心掛けた。 次いで、確定した模擬事例を用いた調査の準備に着手、その後調査を実施した。本来であれば日本およびカナダにてインタビュー調査を実施する予定にしていたが、海外への渡航が困難な現状を踏まえ、急遽、オンラインで調査を実施することに研究計画を変更した。先に確定した模擬事例を用い、事例に対する印象評定と対応についての自由記述からなる調査を日本語版・英語版で作成し、R3年3月にオンライン調査をリリースした。また、インタビュー調査をオンライン調査に変更したことにより、結果の分析が煩雑になりすぎることを避けるため、本来であれば学生支援に携わる多職種の専門家を調査対象として想定していたが、対象者を臨床心理学の専門家(カウンセラー)に限定することとした。 これら調査に向けての準備に並行し、北米(特にカナダ)での大学生の学生相談に関する文献のレビューをおこなった。学生相談の必要性や需要が高まっている状況は本国と変わらないことが確認されたが、従来からも言われている通り、大学生の不登校に関する文献は見当たらなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していたインタビュー調査が実施できない状況であることが確実になり、急遽オンライン調査を準備、実施することとなった。調査は現在も継続中であり、R2年度中に調査を終えるという当初の予定よりは遅れが出ることになったが、回答は順調に集まっており、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
R3年度は現在進行しているオンライン調査の結果の分析をおこなう。大学生の不登校事例に対する臨床心理学の専門家の認識について、国際比較を通じて特徴を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビュー調査のための渡航費用を計上していたが、新型コロナウィルスの影響により急遽オンライン調査に変更したため、渡航費用として計上していた金額をオンライン調査の準備費用に充てることになり、そこで差額が生じた。
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