研究課題/領域番号 |
18K13196
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
嶋内 佐絵 首都大学東京, 国際センター, 准教授 (80727107)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高等教育 / 国際化 / 学際化 / 英語化 / オランダ / 韓国 / 日本 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
18年度前半は文献調査と行うとともにこれまでに行った先行研究の検討およびデータの整理、予備調査の分析を加えて、5月にキプロスで行われた欧州比較教育学会およびカンボジアで行われたアジア比較教育学会にて“Comparative Studies of International and Interdisciplinary Undergraduate Programs in Japan, South Korea and the Netherlands”を発表した。10月終わりにはオランダのユトレヒト大学、マーストリヒト大学、トウェンテ大学にてユニバーシティカレッジの訪問調査を行なった。2018年10月のオランダにおける研究調査では、同時18年度前半で行なった先行研究をまとめ、10月終わりにはオランダのユトレヒト大学、マーストリヒト大学、トウェンテ大学にてユニバーシティカレッジの訪問調査を行なった。ここで得られた知見をもとに、嶋内佐絵・ドン・ウェストハイデン・ジョリット・スナイデル「オランダ:国際リベラルアーツ導入が意味するもの」『グローバル化は学士課程をどう変えるか?』(広島大学高等教育開発センター高等教育研究叢書)を執筆、研究成果を2019年3月に東京で行われた国際会議にて発表し、オランダ、韓国、オーストラリア、マレーシア、アメリカ、イギリス、日本からの参加者と共に学士課程教育の国際比較に関する議論を行なった。韓国に関しては、2018年12月には韓国の慶煕大学校、高麗大学校に研究調査を行い、そのインタビューデータを含めた論考として、嶋内佐絵・金良善「韓国:英語重視の大学教育国際化の帰結」『グローバル化は学士課程をどう変えるか?』(広島大学高等教育開発センター高等教育研究叢書)を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①国内外の調査研究と並行して、日本・韓国・タイ・オランダの各国で、全(研究)大学(専門大学、短期大学などを除く)における国際・学際的な学士課程教育プログラムのリストを作成し、各大学ウェブサイト等から教育の目的・内容・手法に関するデータ(カリキュラム、教育内容・方法、人材育成ビジョン、ディプロマポリシー等)から取得し、テキストを批判的言説分析の手法で質的に考察し、類型化等を通じて整理を行う作業を行っているが、こちらは2018年度に訪問調査を行った韓国・オランダについて先に進行させ、タイ・日本についてのデータ収集を2年目以降(2019年度)に行うこととした。
②上記の全容調査の結果から、プログラムの典型性・特殊性等に注目して事例大学を選出し、訪問調査と教職員へのインタビューを通じて、カリキュラムや教育における目的・内容・手法の特徴や課題などに加え、組織と接続の側面も含めた質的分析と議論を行う予定であったが、2018年度は韓国とオランダについて訪問調査を終えることができた。オランダについては2019年度にもう2校の訪問調査を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況の①に関しては、2019年度は日本およびタイのデータ収集を開始する。特にタイに関しては、先行研究の収集・検討などについても夏から秋にかけて数ヶ月かけて丁寧な文献調査を行い、その上でインターネット上で基本的なデータ収集を行う。また②の事例研究に関しては、タイは2019年度1月から3月の間に選定した大学への訪問を予定している。日本に関してはすでに訪問調査対象の大学にコンタクトを開始しており、2019年度6月から9月にかけて調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
韓国への研究調査出張の経費を他の研究費で清算したため、次年度使用額が生じた。今年度は2回の海外出張、2回の国内出張を予定している。
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