研究課題/領域番号 |
18K13196
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
嶋内 佐絵 東京都立大学, 国際センター, 准教授 (80727107)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 高等教育 / 国際化 / 学際化 / 英語化 / オランダ / 韓国 / 日本 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、高等教育の国際化と学際的な教育の相互作用的な拡大と展開に注目し、大学における学術および教育実践における国際性と学際性の実相を明らかにすることである。2020年度は予定していた海外調査研究が感染症の拡大のため実施できなかったことを受け、国際的で学際的な学士課程教育の世界的な拡大を、高等教育国際化関連の様々な文献を通して体系的な文献研究を行った。また調査対象予定国のうち日本・韓国・オランダの3カ国に焦点をあて、これらの国におけるリベラルアーツ/教養教育の歴史的展開との関連や高等教育政策から検討し、国際・学際的教育に関するデータを網羅的に収集した。特に韓国・オランダに関しては、、それぞれ国際学部・ユニバーシティカレッジという枠組みに注目して、それらが韓国・オランダにおいてどのような内在的・外在的要因の元に創設・拡大して行ったのかに関する分析を行った。また2018年および2019年に行った訪問調査のデータを元に、国際学部およびユニバーシティカレッジのカリキュラムや教育における目的・内容・手法の特徴や課題などを含め、研究論文および書籍としてまとめて発表を行った。本研究は、高等教育におけるリベラルアーツ教育の世界的な復興がおきているなかで、高等教育国際化のなかで出現する、特に学士課程レベルにおける国際的かつ学際的な教育プログラムの実態を明らかにするもので、その様相の分析を比較の視点から行う本研究は、各地域や国、大学が抱える問題のなかでどのような共通の課題があり、またどのような差異が生まれてくるのかを検討することで、高等教育の国際化に関連する政策立案への貢献も考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度、当初予定していた韓国・オランダ・タイにおける研究調査ができなかったこと、また学会発表とそれに基づく論文の執筆という研究スケージュールが遂行できなかったため、研究計画時の予定と照らし合わせるとやや遅れていると言わざるを得ない。2021年度までの延長を行ったことで、今年度中に海外調査研究を行う可能性を残しつつも、インタビュー等をオンラインで行うことを前提に研究対象機関の研究者との連絡を取り、2021年度中にはオンラインでの調査を実施できる見込みが立っている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は海外調査研究のために渡航する可能性を残しつつも、渡航できないことも想定して、オンラインで研究調査を行うように予定を変更した。5月末および6月中にはそれぞれオランダおよび韓国の研究者とのオンラインミーティングを行い、教職員および学生にインタビューを行うための具体的な方法について議論を行い、8、9月から2021年いっぱいにかけてオンラインによる調査研究を行う予定である。またこれまで集めたデータを元に新規論文の執筆を行うとともに、現在編集作業を行っている書籍の章(韓国およびオランダ)を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度、海外調査研究・学会発表等、移動を伴う研究活動ができなかったため、2020年度分に使用予定であった予算はすべて2021年度に使用予定である。
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