| 研究課題/領域番号 |
18K13203
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| 研究機関 | 福岡大学 |
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研究代表者 |
橋場 論 福岡大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (50549516)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 学生支援 / 認証評価 / 専門職団体 / 高等教育 / 米国 |
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| 研究実績の概要 |
2020年度は、地域別認証評価団体における評価の実態を分析することを目的として、その前提となる資料収集を実施した。当初は、特に初期から学生支援に関する評価基準を設定していたとされているSouthern Association of Colleges and Schools Commission on Colleges(SACSCOC)の評価活動について焦点を当てていく予定であった。しかし、予定を変更し、SACSCOCを含む全ての地域別認証評価団体について焦点を広げ、文献やテキストデータの形で収集できる資料を広く入手するよう努めた。
また、上記の学生支援の実践に対する質保証の取り組みとは別に、学生担当職（学生支援に携わる専門的なスタッフ）の養成課程に対する質保証の仕組みにも照射した。具体的には、学生担当職の養成課程に対する専門分野別認証評価を実施しているCouncil for Accreditation of Counseling & Related Educational Programs（CACREP）を取り上げた。CACREPは、様々なカウンセラーの養成課程に対する認証評価を実施する団体である。カウンセラーという職全体の質の向上が求められる中で、CACREPは大学院における最低修得単位数の基準を引き上げることを決定したものの、その実施を延期している現状がある。この背景としては、最低修得単位数を引き上げることが、さほど多くの修得単位を要求してこなかった学生担当職の養成課程にとっては、実態にそぐわないという反発が存在したことが挙げられる。何が学生担当職にとって適切な養成課程であるのかという点については、依然として議論が継続されていることが明らかとなった。
以上の状況を取り纏め、日本高等教育学会第23回大会において報告を行った（大会は開催されず、要旨集録の発行のみ）。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来、2020年度には地域別認証評価団体のうちSACSCOCの評価の現状や課題について、訪問調査等を実施することを通じて検討を進める予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響に伴い、訪問調査を実施することが見通せず、且つ、勤務校におけるコロナ禍への対応に業務時間を割かざるを得ない状況となった。
こうした状況を踏まえ、国内において限られた時間で取り組める研究課題を進めるために、既に入手したCACREPに関する資料などを基に研究成果を取りまとめるとともに、各地域別認証評価団体の評価に関する基礎資料の収集に時間を割くこととした。
併せて、本研究の研究期間を1年延長していただくよう申請を行なった。
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| 今後の研究の推進方策 |
研究期間を1年延長することによって、地域別認証評価における学生支援分野の評価の現状や課題について検討を進める予定である。
ただし、2021年度もコロナウイルス感染症の影響に伴い、訪問調査自体は実施ができないことが予定されることから、訪問調査をせずとも入手可能な資料を用いて研究を進めるという方向に方針を転換する可能性が高い。
具体的には、SACSCOCの評価の実態について深く掘り下げて検討を進めるというよりは、むしろ、全ての地域別認証評価団体の評価について、横断的、比較的な観点から検討を進めることによって、学生支援に関する認証評価を巡る全米的な状況を描出することに努めることとなる。
また、当初は別の研究課題として想定していた専門分野別の認証評価、すなわちCACREPの評価についても、今後の本格的な研究に着手する端緒として、その現状や課題などについての基礎的な検討を進めていく。
以上の成果について、国内の教育学や高等教育領域の関連学会において口頭報告、論文投稿を積極的に行ないたい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本来実施する予定であった米国への訪問調査が実施できなかったことから、次年度使用額が生じた。
次年度に、訪問調査が実施できる状況が整うようであれば、その半分程度を旅費として使用し、残りを学会参加費や文献購入などに充てる予定である。しかし、訪問調査が実施できない見通しとなれば、大半を文献の購入などに充てることとなる。
特に、2019年度に訪問したNational Student Affairs Archivesにおいて所蔵されている資料の一部で、本研究に関わる可能性があるものが新規に見つかっていることから、それらの複写をレファレンスサービスを通じて依頼することも検討している。
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