本研究の目的は、乳児重症型先天性神経・筋疾患児への教育的支援の在り方を明らかにすることである。全国の病弱及び肢体不自由特別支援学校への調査から、運動機能の制限や医療的ケア等の側面が実態の捉え辛さや指導内容を決定する上での課題となっていることが明らかになった。保護者への面接調査からは、子どもが場面によって示す行動に違いがあることから、保護者と教員との認識のずれが生じやすいという課題が明らかになった。3事例の実践からは、ICT等の活用により子どもが示す僅かな動きを引き出し、意味づけを行う働きかけにより、実態に応じて意思表出の拡大から、それを土台とした学習支援の広がりまで生じうることが示唆された。
|